マルティン・キッペンベルガー Martin Kippenberger1970年代後半から1990年代にかけてのポストモダンを先導した、戦後ドイツで最も影響力のある作家のひとり。美術家、俳優、小説家、音楽家、ダンサー、大酒飲み、旅行者など、多面的な芸術家であろうとした破天荒な生涯と結びつくように、その制作活動もまた、絵画、彫刻、コラージュ、ポスター、写真、パフォーマンス、インスタレーション、書籍など、さまざまなメディアを駆使し、多岐にわたる表現方法と大量の作品で知られる。本書は1997年のアーティストの死去に伴い刊行され、彼の作品について知る入り口になるだけでなく、ほかの作家達や現代美術界との関係や、彼の作品自体についてさまざまな解釈の可能性を与えてくれる作品集となっています。ミニマリズムやその時代の政治思想が参照されており、彼独特の制作方法や、現代美術界や仲間との繋がり方、ユーモアのセンス、社会と傲慢への批判、政治的態度に関する発言、混在するハイ・カルチャーとロー・カルチャー、反復という概念など、さまざまな要素を見ることができます。